スポーツの場ではコーチングとティーチングを使い分けることが大切!

公開日:2022/03/01  最終更新日:2022/03/28


かつてスポーツ業界ではコーチが絶対で、師匠と弟子のような厳しい上下関係がありました。しかし、近年では選手とコーチの間でも上下関係がなく、コミュニケーションを取りながら1人ひとりに合う指導内容で上達を目指す「スポーツコーチング」が浸透しつつあります。この記事では、スポーツコーチングおよびティーチングについてご紹介します。

スポーツコーチングの目的

ここではスポーツコーチングの目的について、まとめています。

■そもそもスポーツコーチングとは何なのか

端的にいえば、スポーツ現場で選手たちを支援することです。コーチが命令や指示をするのではなく、あくまで選手たちが主体となって「試合に勝つ」「シュートを何発決める」など、目標を達成するためのサポートを行います。

また、課題を解決するために自分で考えたり、壁を乗り越えたことによる達成感を味わったりといった、生きていくうえで必要な力を身につけさせることもできるのです。

■目的は「社会で役立つ人材」へ育てること

スポーツコーチングには、スポーツによって「社会で役立つ人材」へその人を育てるという目的があります。「社会で役立つ人材」というとさまざまな考え方がありますが、ここでは自分から主体的に動いて判断し、責任感を持って行動できるなどといったリーダー的な人を指します。そして、リーダー的な人を育てられるのが、スポーツコーチングの強みなのです。

スポーツにおけるコーチングとティーチングの違い

よく混同されがちですが、スポーツにおけるコーチングとティーチングには明確な違いがあります。ここでは、その違いについて、以下2点をご紹介させていただきます。

■コミュニケーションの方向性が違う

まず、1点目の違いはコミュニケーションの方向性です。コーチングは選手が自ら考え、答えを出すことが目的です。よって、必然的にコーチと選手の間でたくさんの対話が発生します。

これに対し、ティーチングでは「コーチが発見した選手の課題」など、一方的にコーチが答えを教える形になります。よって、互いに対話するのがコーチングで一方的に教えるのがティーチングと、コミュニケーションの方向性が違うのです。

■有効とされる場面が、それぞれ違う

2点目の違いは、有効とされる現場がそれぞれ違うことです。まず、コーチングでは選手が自身の能力を最大限に発揮し、その結果目的を達成できるよう促すことを目的としています。

これに対し、ティーチングではその競技におけるルールなど知識を付けさせることが目的です。よって、コーチングとティーチングでは、有効とされる場面がそれぞれ違うといえます。

コーチングとティーチングの使い分けがポイント

コミュニケーションの方向性や有効とされる場面が違う以上、コーチングとティーチングには使い分けが必要です。具体的に、どのようにポイントを押さえて使い分ければよいのでしょうか?

■コーチング=スポーツ現場で

コーチングは選手に自ら考えさせることで、選手自身のパフォーマンスを高める行為です。よって、試合や練習試合などを含むスポーツ現場では、コーチングを行うことをおすすめします。「試合ではどんな風に動けばよいのか」などを選手が主体となって考え、行動することでより能力の底上げができるでしょう。

■ティーチング=主にミーティングで

一方的に知識や情報を提供するティーチングは、大切なインプットの場です。よって、主にミーティングなどで用いることをおすすめします。ミーティングで常に最新の情報をキャッチするのは、選手にとっても重要な課題です。

■選手たちの能力差などを埋めていこう

チームにはもともと能力の高い選手もいれば、当然ですが能力の低い選手もいます。能力の高い選手なら、コーチングを行うことでより自身の能力を高めていけるでしょう。

しかし、能力の低い選手なら「何が不足しているのか」などを、ティーチングでしっかり教え込む必要があります。よって、コーチングとティーチングを使い分けることは、選手たちの能力差などを埋めていくためにも有効な手段なのです。

スポーツコーチングを通して目指せること

ここからは、スポーツコーチングを通して目指せることについて、ご紹介します。

■目指せるのは主に以下の3

「引退した後も、社会的な意味で活躍できる人材を育てること」「スポーツがより身近で、盛んに行われる世の中を創造すること」「スポーツコーチングという名のコーチングの価値を、より高めていくこと」この3つです。

そして、現在も多くのスポーツコーチたちは「スポーツコーチングを通じて社会を引っ張っていける人材を増やすこと」を願いながら、日々奮闘を続けています。

 

「スポーツの場ではコーチングとティーチングを使い分けることが大切!」というテーマに基づき、スポーツコーチングの目的などをご紹介してきました。コーチングとティーチングの最大の違いは「答えを引き出す(アウトプット)」のと「答えや情報を提供する(インプット)」という点です。それぞれ求められる場面が違いるため、必要に応じてしっかり使い分けるようにしましょう。

おすすめ関連記事

サイト内検索

【NEW】新着情報

企業の経営者やマネージャーには、部下のパフォーマンスを引き出し集団の力を最大化するリーダーシップが求められます。リーダーシップを育むために近年注目されているのが、コーチングと呼ばれるスキルで
続きを読む
近年の流動的なビジネスにおいては、経営層が自社の置かれている状況を分析し、必要に応じて考え方や経営のあり方を変えて成長していくことが求められます。そういった背景もあり、今需要が高まっているの
続きを読む
パーソナルコーチングという言葉を最近よく聞くようになりました。仕事のことや人生の中で将来の目標ない、やりたいことがわからないなどさまざまな不安や悩みを抱えている方には、パーソナルコーチングが
続きを読む
コーチング関連コラム
オンラインで学べるおすすめコーチングスクール3選