コーチングスキルがあれば起業できる?独立に失敗する人の特徴
近年、コーチングの資格を取得し、起業する人たちが一定数います。「雇われない生き方」としての起業は非常に魅力的で、何より資格を持っていることは大きな強みにもなるでしょう。
では、果たしてどれぐらいの人がコーチングで独立した後、稼げているのでしょうか?この記事ではコーチングで独立し、その後失敗する人の特徴を紹介します。
資格さえ取得すれば稼げると思い込んでいた
独立に失敗する人にもっとも多いのが、「資格さえ取得すれば稼げると思い込んでいた」というケースです。なぜ、そのようなことが起きてしまうのでしょうか?
■スクールで教わるのはコーチングスキルのみ
コーチングの資格を取得するためのスクールで教わるのは、あくまでコーチングスキルのみです。よって、資格を取得した後どうやってクライアントを獲得すればよいのか?どうやって自分というコーチを世間に向けてPRし、どんな形で営業活動を進めていけばよいのか?などといった、「稼ぐためのノウハウ」は一切教えてもらえません。
■もらえるのは、あくまで終了証でしかない
コーチングの資格を取得した瞬間に、自分がプロになったように錯覚する方もいるでしょう。しかし、実際に手にできるのはあくまで終了証でしかなく、決して仕事を得るためのパスポートではありません。よって、「資格を得たからすぐに独立する」というのは現実的ではありません。たまに、自分の貯金をあてに見切り発車する人もいますが、避けたほうがよいでしょう。
■資格を持っている=仕事が取れるとは限らない
たまに「カウンセリングの資格をとったのに、クライアントが得られない」「弁護士として独立開業したのに、事務所に誰も来ない」といった悩みを抱えている人がいます。なぜこうなってしまうのか?というと、資格を持つことはそのまま仕事が取れることに直結しているわけではないからです。民間を相手に商売をする以上、必ず集客するための努力が求められます。
独立することに憧れすぎた
意外と多いのが、独立することに憧れすぎて失敗したケースです。どういうことなのか、具体的に見ていきましょう。
■憧れだけを胸に、独立してしまった
「組織に囚われず自由に生きたい」「資格を活かして腕一本でやっていく」など、憧れだけを胸に独立してしまった人に多いパターンです。稼ぐためのノウハウを持たず、夢見心地になっている人は、いずれ生活が破綻してしまうでしょう。
■「根拠のない自信」はむしろ逆効果
実際には経験が浅くてもプロのように振る舞ったり、自信満々のように演出したりすることは、クライアントを得る交渉時などに有効です。しかし、実力も実績もないのに「根拠のない自信」を持ち続けることは、むしろ逆効果です。その結果廃業せざるを得なくなったり、親やパートナーの収入に頼ったりしないと、やっていけなくなってしまう可能性もあります。
上手く行かなかったら再就職すればいいと思っている
いざ独立開業しても、「上手く行かなかったら再就職すればいい」と思っている人もいます。しかし、そのような姿勢ではまず成功を収められないと思った方がよいでしょう。
■逃げることが前提=覚悟がない証
なぜ成功を収められないのかというと、「逃げることが前提=覚悟がない証」でもあるからです。ビジネスで成功するのは、決して甘い道のりではありません。そのためには、このままではいけない、あるいは何が何でも絶対に成功してやるといった、強い覚悟が必要不可欠です。それに何より、依頼をしてくれるクライアントに対して失礼になってしまうでしょう。
稼げない状態が続いている
もう1つ注意すべきポイントは、コーチとして稼げない状態が続いている人です。そのような人は甘えた気持ちを捨て、がむしゃらに頑張ることを決意したほうがよいでしょう。
■見極めるポイントは約3年
独立開業している人はもちろん、副業として兼業している人も含め「約3年稼げない状態が続いている」という場合は要注意です。1年や2年なら問題ないのか?というと必ずしもそうではありませんが、約3年経っても稼げない状態が続いているなら、そこから脱却するのは至難の業だといえるでしょう。
■稼げないことに慣れたら…
稼げないことに慣れてしまう、それはいわば負け癖が付いてしまったような状態です。ずっと稼げていなくても、パートナーの収入などでどうにかやりくりし食べていけるなら、そのうち「稼げても稼げなくてもいいや」といった気持ちになりやすいです。また、今の自分を否定することは3年間の自分を否定することにもつながるため、なかなか間違いを認められないでしょう。よって、自分を壊すぐらいの意志がなければ、稼げる自分にはなれません。
資格を取得し、コーチングスキルを持っているのに独立に失敗する人の特徴を紹介しました。コーチとして独立開業しても実際に成功できる人は一握りでしかなく、年収1,000万円以上のコーチは全体の1%にすら達していません。つまり、それだけ狭き門なのです。独立したら「何が何でも成功する」といった強い覚悟はもちろん、稼ぐための営業ノウハウや集客努力など、必要なことは山ほどあることを自覚しておきましょう。